【内容】
そのとき、世界中から美しい悲鳴があがるだろう——愛らしいものを逃さない眼を持った「わたし」が出会った黒い人……(表題作)をはじめ、「夢の通路」「れいめい」が響き合う傑作作品集!
「わたし」の「眼」は、愛らしいものを逃さない――読者を極彩色の世界、不穏の至福へと誘う「愛らしい未来」は、雑誌「スピン/spin」8号に掲載され話題となった同作を大幅に加筆、改稿。
本書は、この表題作と緩やかに響き合う「夢の通路」「れいめい」の書き下ろし2作品を収録した、珠玉の連作短編集です。
『日々のきのこ』(2021年)、『詩歌探偵フラヌール』(2022年)、『祝福』(2023年)に続き、河出書房新社が贈る高原英理の唯一無二の世界を、ぜひご堪能ください。
---------
それぞれの百合が微かな言葉を発していた。壮大に重なる和声の中でも言葉がわかった。「あわい」「ふわい」「はうい」「しもろとからせ」「ほののく」「たばす」「おおいの」「くろむり」「ほとり」「ほとり」とそんなふうに聞えた。それらすべて、懸命に呼びかけるような声音(こわね)で、そして愛らしかった。花の揺らぎに合わせて刻々と声が変化していた。多重音が伴奏になっていた。
その日、わたしは見つけてしまった、夜の賑やかな、可憐な飾りと灯りの間をゆく、おそらくこれまで見た中で最も黒い人を、それは無言のまま、周囲を翳らせながら歩いていた。懐中電灯の光が壁を明るませるように、その人のまわりは暗くなるのだった。近づくと硫黄(いおう)の臭いがした。
――以上、「愛らしい未来」より
-----------
【斉藤壮馬さん(声優)、川野芽生さん(作家・歌人)推薦!】
「世界が乱反射して、隙間がことばになる。
わたしも忘れ物を取りに戻らなくちゃ。
渦雲同盟に、あなたも、加わってみませんか。」――斉藤壮馬
「気をつけて。高原英理の言葉は、あなたの中で増殖し、
あなたを作り替えてしまう、 ――夢という名のウイルスだから。」――川野芽生
【著者について】
高原 英理(たかはら・えいり)
1959年生まれ。小説家・文芸評論家。85年、第1回幻想文学新人賞を受賞しデビュー。96年、群像新人文学賞評論部門優秀作を受賞。近著に『日々のきのこ』『詩歌探偵フラヌール』『祝福』『愛らしい未来』。
***************
著者 : 高原英理
出版社 : 河出書房新社 (2024/11/22)
装幀 : ミルキィ・イソベ
本文デザイン : 安倍晴美(ステュディオ・パラボリカ)
版型 : 四六判
頁数 : 160ページ
サイズ : 18.4 x 13.1 x 1.5cm
***************
※こちらの商品は当店最安のクリックポスト(200円)で発送可能です。
※他にもご注文がある方は、レターパックプラスや佐川急便をお選びください。